【伝説のトレーダーから学ぶ日経225・第5回】『リスク限定の達人』が使う防御術

「いかに大きく稼ぐか」よりも「いかに損失を限定するか」

金のたまご農園の農園主です。

連載第5回のテーマは、「防御術」です。前回、私たちはデータと直感を融合させ、市場の『呼吸』を読む術を学びました。しかし、どれほど鋭い直感を持っていようとも、市場は常に予想外の動きをします。

『伝説のトレーダー』たちが本当に優れていたのは、「いかに大きく稼ぐか」よりも「いかに損失を限定するか」を知っていたことです。今回は、オプションの「買い」や「スプレッド」戦略を駆使し、レバレッジ取引でありながら損失を限定的に抑える、具体的な防御テクニックを探ります。


1. 「オプションの買い」:『限定コストの保険』をかける

先物取引が損失無限大のリスクを持つ一方で、オプション取引の「買い」は、損失を支払ったプレミアム(オプション料)に限定できるという、最大の防御特性を持っています。

① プットオプション買い:『最悪の不作』を回避する保険

  • 防御術: あなたが保有する現物株やETF(日経225連動型など)が暴落するリスクに備え、プットオプション(売る権利)を購入します。
  • 効果: 暴落しても、損失は支払った保険料(プレミアム)と、保有資産の下落幅の差額に限定されます。株価が上昇すれば、保険料は無駄になりますが、現物株の利益は確保できます。
  • 知恵: これは、農園の作物の収穫価格が暴落しても、「最低これだけの価格で売れる」という『保険』をかけることと同じです。

② コールオプション買い:『少ない種銭』で大きな利益を狙う

  • 防御術: 上昇トレンドに乗る際、現物株を買う代わりにコールオプション(買う権利)を購入します。
  • 効果: 損失はプレミアムに限定されるため、万が一予想が外れても資産の大部分を失うことはありません。成功すれば、少ない資金(プレミアム)で大きなリターンが得られます。

2. スプレッド戦略:『リスクとコスト』を相殺する高度な防御

プロのトレーダーは、オプションの「買い」と「売り」を組み合わせる「スプレッド戦略」を多用します。これは、リスクとコストを相殺し、より精密な利益を狙う防御術です。

① ベア・プット・スプレッド:『緩やかな下落』に備える堅実な防御

  • 戦略: ある権利行使価格のプットオプションを買い、同時にそれより低い権利行使価格のプットオプションを売る戦略。
  • 効果: プットを売ることでプレミアム収入が得られ、ヘッジコスト(プット買いの費用)が大幅に削減されます。その代わり、利益はプットの権利行使価格の差額に限定されます。
  • 知恵: これは、大きな暴落リスクは低いが、緩やかな下落が予想される時に有効な、「安価で堅実な保険」をかける方法です。損失は限定されますが、利益も限定されます。

② ブル・コール・スプレッド:『上昇の勢い』を限定的なコストで捉える

  • 戦略: ある権利行使価格のコールオプションを買い、同時にそれより高い権利行使価格のコールオプションを売る戦略。
  • 効果: コールを売ることでプレミアム収入が得られ、コールを買うための費用を削減できます。上昇相場での利益は限定されますが、その分、投資コストを大幅に抑えられます。

3. 『リスク限定の達人』が守る資金管理の鉄則

これらの高度な防御術は、厳格な資金管理の鉄則があってこそ機能します。

  • 原則:最大損失額の確定: いかなるオプション戦略であっても、「この取引で失っても良い最大の損失額」を事前に明確に設定し、それを超える取引はしないこと。
  • 証拠金管理: 特にオプションの「売り」戦略(スプレッドを含む)では、証拠金が必要となり、強制決済のリスクが伴います。証拠金には常に余裕を持たせ、総資産のわずかな割合(例えば1%〜5%)でのみ攻めの戦略を実行すること。

『リスク限定の達人』たちの教えは、「リスクは避けるものではなく、理解し、限定するもの」だということです。この知恵を羅針盤に、あなたも市場の荒波を乗りこなし、盤石な資産形成を目指しましょう。


次回予告: 【第6回】『勝率よりも期待値』の哲学〜プロフィットファクターの概念〜

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