〜『引退後の農園』を豊かにする設計図〜
金のたまご農園の農園主です。
講座もいよいよ終盤です。これまでは『金のたまご』を育てるための個別の方法を学んできました。今回は、これまでの知識を総動員して、あなたの老後の資金計画という、人生で最も重要な『設計図』を描いていきましょう。
1. 老後に必要なお金を知る
まず、老後の生活にはいくらくらい必要になるのか、その全体像を把握することから始めます。
A. 公的年金でどれくらい受け取れるか? 老後の収入の柱となるのが、国から支給される公的年金です。 ねんきん定期便や、日本年金機構の「ねんきんネット」で、あなたが将来受け取れる年金額の目安を確認してみましょう。
B. 生活費はいくらか? 次に、引退後の生活費を具体的に想像してみましょう。 現在の生活費を参考に、以下のような項目を考えてみます。
- 住居費(住宅ローン完済後も、固定資産税や修繕費がかかります)
- 食費、光熱費
- 医療費、介護費用
- 趣味、旅行、レジャー費
一般的には、夫婦2人で月25万円~35万円程度が目安と言われていますが、あなたの理想の生活に合わせて、具体的な金額を考えてみることが大切です。
2. 『年金』と『不足分』のギャップを埋める
公的年金の収入と、必要な生活費の差額が、あなたが自力で準備すべき『不足分』です。
たとえば、夫婦で月に30万円の生活費が必要で、年金の合計が20万円だったとしましょう。 この場合、毎月10万円、年間120万円が不足します。 もし65歳で引退し、95歳まで生きると仮定すると、30年間で3,600万円の資金が必要になります。
この『不足分』のギャップを埋めるために、これまでに学んだ知識が役立ちます。
- 複利の力を活用する: 投資信託の積立投資で、長期間かけて資産を増やします。
- 税制優遇制度を活用する: NISAやiDeCoを利用して、税金の負担を減らしながら効率的に資産を形成します。
3. 『金のたまご』を取り崩す戦略
資金を準備したら、次はどのように使っていくかという『出口戦略』を考えます。
- 『元本』を温存する: 資産の『元本』にはなるべく手をつけず、運用で得た『利益』や『配当金』だけで生活するという方法です。
- 計画的に取り崩す: 必要に応じて少しずつ取り崩していく方法です。
老後も運用を続けることで、資産が減るスピードを緩やかにすることができます。これは、まるで『金のたまご』を定期的に産んでくれるニワトリを、元気なままにしておくようなものです。
本日のまとめ
- 老後資金の『全体像』を把握しましょう。まずは公的年金額を確認し、老後に必要な生活費を具体的に算出します。
- 『年金』と『不足分』のギャップを埋めるための具体的な計画を立て、複利の力を活用しましょう。
- 資金を準備するだけでなく、老後の『取り崩し戦略』もあわせて考えておきましょう。
老後の資金計画は、遠い未来の話ではなく、今すぐ行動すべき課題です。今日描いた『設計図』は、あなたが安心して老後を迎え、豊かで充実した生活を送るための羅針盤となるでしょう。
次回は、いよいよ初級講座の最終回です。これまでの学びを総復習し、あなたの『お金の羅針盤』を完成させます。お楽しみに。
【農園主からの伝言】人生100年時代の「老後資金」問題
