〜プット・コール・パリティの秘密〜
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。
今回は、「プット・コール・パリティ」について、もっと身近な例を使って、その秘密を解き明かしていきましょう。
【秘密1】2つの『魔法の箱』は必ず同じ価値になる
プット・コール・パリティの基本は、「中身が違うのに、期日には必ず同じ価値になる、2つの『魔法の箱』が存在する」という考え方です。
【魔法の箱A】
- 金のたまご1個を箱に入れる
- 「たまごを必ず$100で売れる権利」(プット・オプション)を箱に入れる
【魔法の箱B】
- 「たまごを$100で買える権利」(コール・オプション)を箱に入れる
- 現金$100を箱に入れる
この2つの箱の中身はまったく違いますよね?しかし、どちらの箱も、期日には「たまごが100より安かったら100、高かったらその時の値段」という、まったく同じ価値を持つことが証明されています。
これがプット・コール・パリティの核心です。
【秘密2】なぜ同じ価値になるのか?
なぜ中身が違うのに同じ価値になるのでしょうか?もし、片方の箱の価値がもう片方より高かったらどうなるかを考えてみましょう。
例えば、【魔法の箱A】の価値が、【魔法の箱B】よりも高かったとします。
このとき、賢い投資家はこう行動します。
- 【箱A】を高い価格で売る
- 【箱B】を安い価格で買う
- 差額で利益を得る
そして、期日には両方の箱の中身が同じ価値になるので、リスクはまったくありません。この、リスクなしで利益を得る取引を「裁定取引(アービトラージ)」と呼びます。
この裁定取引を狙って、世界中の投資家がこぞって【箱A】を売り、【箱B】を買います。その結果、【箱A】の価格は下がり、【箱B】の価格は上がり、最終的には2つの箱の価値はぴったり同じになるのです。
【秘密3】この秘密が分かると何が嬉しいの?
プット・コール・パリティの秘密を知ることは、私たちの『金のたまご農園』に、いくつかのメリットをもたらします。
- 適正価格を知る羅針盤: あるオプションの価格が、この秘密の法則から外れていないかを確認することができます。もし不自然な価格になっていたら、何かがおかしいと気づく手がかりになります。
- 戦略の構築に役立つ: 「コールを買う代わりに、プットとたまごを組み合わせたらどうなるか?」といったように、複数の金融商品を組み合わせた新しい戦略を考えるヒントになります。
- 市場の効率性を証明: この秘密が常に成り立っているということは、オプション市場が非常に効率的であり、価格に不自然な歪みが少ないことを示しています。
プット・コール・パリティは、難しそうな名前の裏に、オプション取引の「理論的な美しさ」と「市場の効率性」を教えてくれる、とても大切な秘密なのです。
