なぜ配当利回りだけで選んではいけないのか!
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。
今回は、多くの方が興味を持つであろう、高配当株に関するご質問にお答えします。
質問: 「高配当株に興味がありますが、配当利回りだけで選んで大丈夫でしょうか?減配が怖いです。」
ご質問ありがとうございます!
このご質問は、高配当株投資の本質を突いています。結論から言えば、「配当利回りだけで選ぶのは非常に危険」です。
なぜなら、その背後には『減配』という名の『日照り』が潜んでいる可能性があるからです。
今日は、なぜ配当利回りだけで選んではいけないのか、そして『減配』という名の『日照り』を避けるために、どのような視点を持つべきかについて、お話ししましょう。
1. 『見せかけの利回り』に注意する
配当利回りは、株価が下がると上がります。
例えば、年間100円の配当を出す企業の株価が1,000円から500円に下がった場合、配当利回りは10%に跳ね上がります。
一見すると魅力的ですが、なぜ株価が下がったのかを考える必要があります。もし、企業の業績悪化や不祥事が原因で株価が下がっているのであれば、その企業は今後、配当を維持できなくなる可能性が高いです。
これは、雨の予報が出ているのに、水の備蓄がない農園に投資するようなものです。
2. 『減配』という名の『日照り』を避ける3つの知恵
『減配』とは、企業が配当金を減らすことです。減配が発表されると、配当金が減るだけでなく、失望売りによって株価も大きく下落することがあります。
『減配』という名の『日照り』を避けるためには、以下の3つの知恵が役立ちます。
① 『配当性向』という名の『分け前の割合』を見る
- 配当性向は、企業の純利益のうち、どれくらいを配当金として株主に還元しているかを示す割合です。
- 見方: 配当性向が70%や80%を超えている企業は、利益のほとんどを配当に回しているため、少しでも業績が悪化すると、配当を維持できなくなるリスクがあります。
- 目安: 利益の30%〜50%程度を配当に回している企業は、経営に余裕があり、安定していると判断できます。
これは、収穫した作物のうち、種や肥料に回す分を確保し、無理のない範囲で配当を分配する賢い農園主の姿に似ています。
② 『EPS(1株当たり利益)』の成長を見る
- EPSは、企業の稼ぐ力、つまり利益を示す指標です。
- 見方: EPSが安定して成長している企業は、配当の原資がしっかりしているため、減配リスクが低いと判断できます。
- 目安: 過去数年間にわたって、EPSが右肩上がりで成長しているかを確認しましょう。
③ 『財務健全性』という名の『根の張り具合』を見る
- 自己資本比率: 総資産に占める自己資金の割合です。比率が高いほど、借金に頼らず経営できている証拠です。
- 有利子負債倍率: 自己資金に対して、どれくらい借金があるかを示す指標です。低いほど健全です。
- 見方: これらの指標で、企業が財務的に無理をしていないか、倒産リスクが低いかを確認しましょう。
これは、たとえ株価という名の『葉』が青々としていても、『根』(財務基盤)がしっかり張っているかを確認するようなものです。
結論:『賢い農園主』は、数字の裏側を読む
高配当株投資は、あなたの『金のたまご農園』を豊かにする素晴らしい戦略です。しかし、表面的な配当利回りという数字だけを見ていては、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
- 『配当性向』で、無理な配当をしていないかを確認する。
- 『EPS』で、企業の稼ぐ力を見る。
- 『財務健全性』で、経営の安定性を確認する。
この3つの知恵を羅針盤に、配当利回りという数字の裏側を読み解き、本当に価値のある『金のなる木』を見つける旅に出ましょう。
