〜賢い『金のたまご』の収穫方法〜
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。
今回は、読者の皆さんから寄せられた、非常に重要で多くの方が抱えているであろう、あるお悩みにお答えします。
質問: 非課税口座ではない特定口座で、含み益が800万円ある高配当株を保有しています。 年間配当は100万円ありますが、もし今売却すると、約160万円の税金がかかってしまいます。 どう考えてもホールド(保有)一択だと思っているのですが、何かアドバイスはありますか?
このご質問、非常に共感します。せっかく大きく育った『金のたまご』を収穫しようとしたら、その一部を『税金』という形で手放さなければならない…そう考えると、売却に二の足を踏んでしまうお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、本当に「ホールド一択」で良いのでしょうか? 私は、このお悩みにはいくつかの重要な視点が隠されていると考えます。
一緒に、賢い『金のたまご』の収穫方法を考えていきましょう。
視点1:『税金』は成功の証
まず、大前提として考えていただきたいのは、「税金がかかるのは、あなたが素晴らしい成功を収めた証」だということです。含み益800万円は、あなたの賢明な投資判断と、長年の忍耐がもたらした、尊い果実です。
税金は、その成功に感謝し、社会貢献をするための対価だと捉えましょう。この心理的なハードルを取り除くことが、冷静な判断を下す第一歩となります。
視点2:売却しないリスクを考える
「ホールド一択」という考えは、「売却しないことによるリスク」を見過ごしている可能性があります。
- 株価下落リスク: 今は800万円の含み益があっても、今後、企業の業績悪化や市場全体の不況により、株価が下落し、含み益が減ってしまう可能性があります。
- 機会損失リスク: 仮にあなたが「この株は今後も高配当を出し続けるだろう」と信じていても、その株を売却して得たお金を、さらに成長が期待できる別の『金のなる木』に再投資するという選択肢を失っていることになります。
- ポートフォリオの偏り: 一つの銘柄に資産が集中している場合、その企業が何らかのトラブルに見舞われた時、あなたの資産全体が大きなダメージを受けるリスクがあります。
視点3:賢い『金のたまご』の収穫方法
では、どのようにすれば、このジレンマを解決できるのでしょうか?
選択肢1:分散売却を検討する
含み益のすべてを一度に売却する必要はありません。「段階的な売却」を検討してみましょう。
- 税金の分散: 年を跨いで少しずつ売却することで、その年の税負担を抑えることができます。
- リスクの分散: 一度にすべてを売却するのではなく、少しずつ売却することで、株価がさらに上昇した場合でも、その恩恵を享受することができます。
選択肢2:損益通算を活用する
もし、あなたが他の株式や投資信託で含み損を抱えているのであれば、「損益通算」を活用することができます。
- 含み損を抱えている資産を売却し、そこで発生した損失と、今回の含み益を相殺することで、税金を減らすことができます。これは、賢く税負担をコントロールするための重要なテクニックです。
選択肢3:非課税口座への移行を検討する
現行のNISA制度では、保有している特定口座の資産をそのままNISA口座に移すことはできません。しかし、一旦売却して、非課税枠のあるNISA口座で買い直すという戦略も検討の価値があります。
- 将来の税金ゼロ: 一度税金を払うことになりますが、その後、その株から得られる配当金や、将来の売却益は非課税となります。長期的に見れば、こちらの選択肢がより有利になる可能性があります。
結論:あなたの『金のたまご』は、あなたの意志で動く
ご質問者様の「ホールド一択」というお気持ち、分かります。しかし、それは、もしかしたら「売却のタイミングを逃したくない」という不安や、心理的な「サンクコスト」に囚われているのかもしれません。
投資は、あなたの『金のたまご』を、あなたの意志で動かすゲームです。
「本当に、この『金のたまご』をこのままにしておくのが最善だろうか?」
この問いを自問自答し、今回お伝えした複数の視点から、最適な答えを見つけてみてください。
あなたの『金のたまご農園』が、これからも豊かに実り続けることを心から願っています。
