〜住宅ローン繰り上げ返済はすべき?〜
金のたまご農園の農園主です。 今回は、非常に多くの方からご相談いただく、住宅ローンに関するご質問にお答えします。
【ご質問】 住宅ローンの残債が1,500万円あります。繰り上げ返済したほうが良いでしょうか?私の年齢は48歳、妻46歳、子供12歳の3人家族です。年収は800万円、家庭の金融資産は貯金800万円、投資信託300万円、株式500万円です。住宅ローンはあと25年あります。
これは、非常に具体的で重要なご質問ですね。 結論から申し上げると、「繰り上げ返済をすべきかどうかは、あなたの家庭の状況と将来の目標によって変わります」。
1. 繰り上げ返済のメリット・デメリット
まず、繰り上げ返済の基本的な特徴を整理しましょう。
メリット
- 将来の利息負担が減る: 繰り上げ返済によって、返済期間が短縮される、または毎月の返済額が減ることで、総支払額が少なくなります。
- 精神的な安心感: ローンという借金が減ることで、精神的なゆとりが生まれます。
デメリット
- 手元の現金が減る: 繰り上げ返済に充てたお金は、急な出費や病気などの不測の事態に対応するための資金として使えなくなります。
- 資産を増やす機会を失う: もしローンの金利が低い場合、その資金を繰り上げ返済に使うよりも、より高いリターンが期待できる資産運用に回した方が、長期的に見て資産を増やせる可能性があります。
2. あなたの状況から考える繰り上げ返済のヒント
ご質問者様の状況を、農園主の視点から分析し、いくつかの選択肢を提示します。
【選択肢1】繰り上げ返済は『いったん保留』
- 理由: 現在、ご家庭の金融資産は、貯金800万円と、投資資産が合計で800万円あり、しっかりとした資産基盤が築かれています。しかし、お子様の教育費(特に大学費用など)や、ご夫婦の老後資金は、今後さらに必要になります。1,500万円の残債は決して少なくないですが、慌てて一気に繰り上げ返済をする必要はないと考えます。
【選択肢2】老後の資金計画を優先する
- 理由: 現在48歳とのことですので、今後、老後を迎えるまでに資産をさらに増やしていく必要があります。住宅ローンの金利が低い(1%未満など)であれば、繰り上げ返済をするよりも、その資金を、年率2〜3%以上のリターンが期待できる資産運用に回した方が、将来的に資産を大きく増やせる可能性があります。
【具体的な提案】
- 緊急予備資金を確保する: まず、貯金の800万円のうち、半年から1年分の生活費にあたる金額(例:300万〜500万円)は、絶対に手をつけない緊急予備資金として確保してください。
- 残りの資金を賢く運用: 余裕資金から、まずはご自身の老後資金計画(iDeCoやNISAなど)を最優先で検討しましょう。
- ローンの金利を再確認: ローンの金利が1.5%を超えるようであれば、一部を繰り上げ返済するか、もしくは借り換えを検討するのも一つの手です。
まとめ:大切なのは『バランス』です
繰り上げ返済は、正解が一つではありません。 このご質問者様のように、資産がしっかりある方の場合、ローンを減らすことと、資産を増やすことのバランスをどう取るかが鍵となります。
ご自身の安心を優先して繰り上げ返済をするか、将来の資産を増やすことを優先して運用に回すか、ご家族で話し合って決めることが最も重要です。あなたの『金のたまご農園』の状況を見極め、賢い選択をしてください。
