iDeCoの出口戦略:いつ、どうやって受け取るのがお得?
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。「金のたまご相談室」へようこそ!
長きにわたりお付き合いいただいた「iDeCo完全ガイド」も、いよいよ最終回を迎えました。今回は、皆さんが大切に育ててきた「金のたまご」を、60歳以降にどのように「収穫」するのが最も賢明なのか、その出口戦略について詳しく解説していきます。
iDeCoで積み立てたお金は、原則として60歳以降に受け取ることができますが、その受け取り方にはいくつかの種類があり、税金のかかり方もそれぞれ異なります。しっかりと理解して、ご自身にとって最もお得な方法を選びましょう!
Q5-1: iDeCoのお金はいつから受け取れるの?
農園主からの回答
iDeCoで積み立てたお金を受け取ることができるのは、原則として60歳以降です。ただし、受け取りを開始できる年齢は、iDeCoへの加入期間によって細かく定められています。
加入期間 | 受給開始可能年齢 |
10年以上 | 60歳 |
8年以上10年未満 | 61歳 |
6年以上8年未満 | 62歳 |
4年以上6年未満 | 63歳 |
2年以上4年未満 | 64歳 |
1ヶ月以上2年未満 | 65歳 |
ご自身の加入期間を確認し、いつから「金のたまご」を収穫できるのかを把握しておきましょう。
Q5-2: どんな受け取り方が選べるの?それぞれ税金はどうなる?
農園主からの回答
iDeCoの受け取り方には、主に以下の3つの方法があります。
- 年金として受け取る(年金受取)
- 積み立てたお金を、一定期間にわたって分割で受け取る方法です。
- 税金: 公的年金等控除の対象となります。公的年金と合算して一定額まで非課税となります。受け取る年金額や他の所得によって税額は変動します。長期間にわたって少しずつ受け取るため、税負担を分散できる可能性があります。
- 一時金としてまとめて受け取る(一時金受取)
- 積み立てたお金を、一度にまとめて受け取る方法です。
- 税金: 退職所得控除の対象となります。勤続年数に応じて控除額が大きくなるため、長期間iDeCoに加入していた場合、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。
- 年金と一時金を組み合わせて受け取る(併用受取)
- 一部を年金として受け取り、残りを一時金として受け取る方法です。
- 税金: 年金部分は公的年金等控除、一時金部分は退職所得控除がそれぞれ適用されます。ご自身のライフプランや税制上のメリットを考慮して、最適な組み合わせを選ぶことができます。
どの受け取り方が最もお得かは、皆さんの他の所得の状況や退職金の有無、今後の生活設計などによって異なります。
Q5-3: 一括で受け取るのと、年金形式で受け取るのはどっちがお得?
農園主からの回答
これは非常によく聞かれる質問ですが、一概に「こちらがお得!」とは言えません。ご自身の状況に合わせて慎重に検討する必要があります。
【一時金受取のメリット・デメリット】
- メリット:
- まとまったお金を一度に受け取れるため、住宅ローンの返済やリフォームなど、まとまった資金が必要な場合に便利です。
- 退職所得控除を最大限に活用できる可能性があります。特に、長年勤めた会社からの退職金が少ない場合などは、iDeCoの一時金にかかる税金を抑えられることがあります。
- デメリット:
- 一度に多額のお金を受け取るため、その後の資産管理が重要になります。
- 税制上の優遇措置である退職所得控除の枠を使い切ってしまうと、他の退職所得があった場合に不利になる可能性があります。
【年金受取のメリット・デメリット】
- メリット:
- 毎月安定した収入を得られるため、老後の生活設計が立てやすくなります。
- 公的年金等控除が適用されるため、他の公的年金収入と合わせて一定額まで非課税で受け取れます。
- 一度に全額を受け取るよりも、税負担を分散できる可能性があります。
- デメリット:
- 一度にまとまったお金を受け取れないため、大きな支出には対応しにくい場合があります。
- 受け取る期間によっては、一時金で受け取るよりも総受取額が少なくなる可能性があります(運用状況によります)。
【併用受取について】
ご自身の状況に合わせて、必要な分を一時金で受け取り、残りを年金としてコツコツ受け取るなど、柔軟な対応が可能です。
私自身の考えとしては…
私の場合は、他の退職金との兼ね合いや、老後の資金計画を考慮して、一時金と年金を組み合わせた受け取り方を検討しています。一部を一時金で受け取り、まとまった資金を確保しつつ、残りを年金として安定収入を得ることで、バランスの取れた老後生活を送りたいと考えています。
Q5-4: 60歳以降も運用を続けることはできる?
農園主からの回答
はい、iDeCoは、60歳以降も75歳まで(2022年5月1日以降に加入された方は70歳まで)掛金の拠出を継続することができます。また、掛金を拠出せずに、積み立てた資産の運用のみを続けることも可能です。
もし、60歳以降も働く予定があり、収入がある場合は、引き続き掛金を拠出して税制優遇を受けながら資産を増やしていくことができます。また、すぐに受け取る必要がない場合は、運用を続けることで、さらに「金のたまご」を大きく育てることも期待できます。
ただし、75歳(または70歳)になると、必ず受け取りを開始する必要がありますので、その点は覚えておきましょう。
Q5-5: 途中で亡くなったらどうなるの?(死亡一時金)
農園主からの回答
万が一、加入者の方が亡くなられた場合は、それまでに積み立てられた資産は「死亡一時金」として、法律で定められたご遺族に支払われます。
死亡一時金は、相続税の対象となりますが、一定の非課税枠が設けられています。
ご自身にもしものことがあった場合のことも、頭の片隅に置いておくことは大切です。
農園主から皆さんへ
iDeCoで大切に育ててきた「金のたまご」を、どのように「収穫」するかは、皆さんの老後の生活設計において非常に重要な決断です。
それぞれの受け取り方のメリット・デメリットをしっかりと理解し、ご自身の状況に合わせて最適な方法を選んでください。
もし迷った場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのも良いでしょう。