どんな高配当株を選べばいいの?配当利回りだけで選んで大丈夫?
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。「金のなる木」銘柄診断室へようこそ!
前回は、新NISAと高配当株投資の強力な相乗効果についてお話ししました。非課税で「金のなる木」を育てられると聞いて、「よし、早速高配当株を探してみよう!」と思った方もいるかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。たくさんの株の中から、どんな「金のなる木」を選べばいいのでしょうか?「配当利回りが高い株を選べばいいんでしょ?」と思ったあなた、それは大きな落とし穴かもしれませんよ!
今回は、私が2,000万円以上の国内株式運用で培ってきた経験から、「配当利回りだけで銘柄を選んではいけない理由」と、「安心して長く育てられる『金のなる木』の見分け方」を、Q&A形式で詳しく解説していきます!
Q2-1: 配当利回りって何ですか?高ければ高いほど良いんですか?
農園主からの回答
配当利回りとは、「株価に対して、年間でどれくらいの配当金がもらえるか」を示す割合のことです。
計算式はシンプルで、 配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 1株あたりの株価 × 100 で求められます。
例えば、1株1,000円の株で年間50円の配当金が出れば、配当利回りは5%(50円 ÷ 1,000円 × 100)となります。
「高ければ高いほど良いんですか?」という質問ですが、「必ずしもそうとは限りません」。これが最も重要なポイントです!
高い配当利回りは魅力的ですが、それが「なぜ高いのか」を考えることが非常に大切です。
- 企業業績が安定していて、株主還元に積極的な優良企業だから高いのか?
- 一時的に株価が急落したことで、見かけ上の利回りが高くなっているだけではないか?
- 業績悪化で配当が減ってしまう(減配)リスクがあるのに、無理して高配当を出しているだけではないか?
「金のなる木」も、ただ実りが多ければ良いわけではありません。毎年安定して実り続け、さらに成長していく木を選ぶことが、長期的な視点では何よりも重要です。
Q2-2: 配当利回りだけで選んではいけないってどういうことですか?「減配リスク」って何ですか?
農園主からの回答
高配当株投資で最も避けたいのが「減配(げんぱい)リスク」です。減配とは、企業が株主への配当金を減らすことです。
配当利回りだけを見て投資をしてしまうと、以下のような「見せかけの高利回り」に騙されてしまうことがあります。
- 業績が悪化しているのに、無理して高配当を出し続けている企業
- 資金繰りが厳しくなれば、真っ先に配当金が減らされる可能性が高いです。
- 一時的な特益(特別な利益)が出て、その年だけ配当が増えている企業
- 翌年以降は通常の配当水準に戻り、実質的な利回りが大幅に下がることがあります。
- 特定の事業に依存しすぎて、景気変動の影響を受けやすい企業
- 不況に陥ると、一気に配当を減らさざるを得なくなることがあります。
減配が発表されると、配当金が減るだけでなく、失望売りによって株価も大きく下落する傾向があります。そうなると、配当と株価の両方で損をしてしまうことになります。
これは、せっかく育てた「金のなる木」が、突然実りを止め、さらには枯れてしまうようなものです。高配当株投資は、目先の利回りだけでなく、「その配当が持続可能か」をじっくり見極めることが不可欠なんです。
Q2-3: じゃあ、どんな高配当株を選べばいいの?農園主が重視するポイントは?
農園主からの回答
私が「金のなる木」を選ぶ際に重視するポイントは、以下の4つです。
- 安定した業績と、利益を稼ぐ力があるか(収益性)
- 何よりも重要なのは、企業が安定して利益を稼ぎ続けているかどうかです。売上高や利益が安定的に伸びている企業は、配当の原資がしっかりしている証拠です。
- 「金のなる木」が毎年豊かに実るためには、その木の根っこがしっかりしていて、栄養を吸収する力が強いことが大切ですよね。
- 配当性向が高すぎないか(配当余力)
- 配当性向とは、「稼いだ利益のうち、どれくらいを配当金として株主に還元しているか」を示す割合です。
- 配当性向が高すぎる(例えば80%や90%超)と、企業の成長のための投資資金が不足したり、少し業績が悪化しただけで減配に繋がりやすくなります。
- 一般的には30%~60%程度が望ましいとされています。「金のなる木」も、自分の成長に使う栄養と、実りとして分け与える栄養のバランスが取れている方が、長く健全に育ちます。
- 財務状況は健全か(安全性)
- 自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合)が高い、有利子負債(借金)が少ないなど、企業の財務基盤がしっかりしていることも重要です。
- 財務が健全な企業は、不況時でも体力があり、配当を維持しやすい傾向にあります。会社の「体力」がしっかりしているか、これも「金のなる木」の寿命を左右する大切な要素です。
- 株主還元への意識が高いか(配当政策)
- 企業のIR(投資家向け広報)情報などで、「株主への配当を重視する」といった配当政策を明確に掲げているかもチェックしましょう。
- 中には、減配をしない「累進配当」を宣言している企業もあります。このような企業は、投資家にとって非常に安心感が高いです。
これらのポイントを総合的に判断して、「金のなる木」候補を選定します。
Q2-4: 私のポートフォリオはこれで大丈夫?高配当株のバランスはどうする?(分散投資の重要性、具体的なポートフォリオ例)
農園主からの回答
高配当株投資においても、分散投資は非常に重要です。いくら優良な企業を選んだとしても、何があるかは分かりません。一つの「金のなる木」だけに頼りすぎるのは危険です。
- 業種(セクター)の分散:
- 例えば、銀行株ばかり、電力株ばかりに偏るのではなく、様々な業種の株に投資することで、特定の業界の不況リスクを軽減できます。
- 「金のたまご農園」でも、野菜だけ、果物だけを育てるのではなく、多様な作物を育てることで、どれか一つが不作になっても全体が安定するようにしますよね。
- 銘柄数の分散:
- 少なくとも30銘柄以上に分散投資することをおすすめします。そうすれば、仮に一部の銘柄が減配になったとしても、ポートフォリオ全体への影響を抑えることができます。
- 受け取り時期の分散:
- 配当金の権利確定月は企業によって異なります。なるべく様々な月に配当金が入るように銘柄を組み合わせることで、年間を通して安定した配当収入が得やすくなります。
具体的なポートフォリオ例の考え方
私のポートフォリオも、これら分散の考え方に基づいて構築されています。例えば、
- 生活必需品(食品、医薬品など)関連株: 景気に左右されにくい安定高配当株
- インフラ(電力、ガス、通信など)関連株: 安定した事業基盤を持つ株
- 金融(銀行、保険など)関連株: 金融情勢に左右されるが、高配当が多い株
- 商社株: 多角的な事業展開でリスクを分散しやすい株
など、様々なセクターから選定し、特定の業種に偏りすぎないようにバランスを取っています。
もちろん、これはあくまで一例です。皆さんのリスク許容度や目標に応じて、最適なポートフォリオは異なります。
農園主から皆さんへ
「金のなる木」を見つける旅は、決して配当利回りという「見かけの輝き」だけで判断してはいけません。その木の「根っこ(業績)」がしっかりしているか、「幹(財務)」が太いか、そして「育つ力(配当政策)」があるか、じっくりと見極めることが大切です。
焦らず、これらのポイントをチェックしながら、長く愛せる「金のなる木」を新NISAの「温室」で育てていきましょう。
次回は、「配当金生活って本当に可能なの?」という、皆さんの夢を具体的にシミュレーションしていきます。どうぞお楽しみに!