どの商品を選べばいいの?「元本確保型」と「投資信託」どっちがいい?
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。「金のたまご相談室」へようこそ!
前回の記事では、iDeCoで毎月いくら「種まき」をするのがベストかについて解説しました。今回は、その「種」をどんな「土壌」で育てるか、つまり「どの金融商品を選べばいいのか?」という重要なテーマについて、皆さんの疑問に答えていきます。
iDeCoで選べる主な商品は**「元本確保型」と「投資信託」**の2種類。それぞれ特徴が大きく異なるため、「どっちがいいの?」と迷ってしまう方も多いかもしれません。
今回は、それぞれの特徴を分かりやすく解説し、皆さんのリスク許容度や目標に合わせて、どんな「土壌」を選ぶべきか、私の考えをお伝えします!
Q3-1: iDeCoで選べる「元本確保型」と「投資信託」って、それぞれどんなものですか?
農園主からの回答
はい、iDeCoで選べる主な金融商品は、大きく分けて以下の2つです。
- 元本確保型
- これは、預けたお金(元本)が減る心配のない商品です。具体的には、定期預金や保険商品などが該当します。
- メリットは、なんと言っても「安心感」です。老後資金は大切なものなので、リスクを取りたくないという方には適しています。
- デメリットとしては、一般的にリターン(収益)が低い傾向にあることが挙げられます。せっかく運用益が非課税になるiDeCoのメリットを活かしきれない可能性があります。
- 「金のたまご農園」で例えるなら、リスクは低いけれど、収穫できる「金のたまご」の数はゆっくりとしか増えない、手堅い栽培方法と言えるでしょう。
- 投資信託
- こちらは、皆さんから集めたお金を専門家が株式や債券などに投資して運用する商品です。
- メリットは、元本確保型に比べて高いリターンが期待できることです。運用がうまくいけば、「金のたまご」が大きく育つ可能性があります。
- デメリットとしては、市場の変動によって元本が割れる(減ってしまう)リスクがあることです。「絶対に損をしたくない」という方には抵抗があるかもしれません。
- ただし、長期的に見ると、一般的に株式などの投資信託はインフレリスクにも強く、資産を増やす効果が期待できます。「金のたまご農園」で例えるなら、天候に左右される可能性はあるものの、大きく育つ可能性を秘めた、積極的に収穫量を増やす栽培方法と言えるでしょう。
どちらを選ぶかは、皆さんの「リスク許容度(どれくらいの損失なら許容できるか)」や「運用期間(何年くらい運用できるか)」、そして「目標とする老後資金の額」によって変わってきます。
Q3-2: 「元本確保型」と「投資信託」、結局どっちを選べばいいんですか?農園主のおすすめは?
農園主からの回答
一概に「どちらが良い」とは言えませんが、私自身の経験や考え方を踏まえてお伝えしますね。
もしあなたが…
- 「とにかく元本を減らしたくない」「リスクは絶対に避けたい」 という方であれば、元本確保型を選ぶのが安心でしょう。ただし、インフレによって実質的な価値が目減りする可能性も考慮しておく必要があります。
- 「ある程度のリスクは取れる」「長期間運用できる」「老後資金を大きく増やしたい」 という方であれば、投資信託を積極的に検討することをおすすめします。
私自身は、iDeCoを始めた当初から積極的に投資信託を選んで運用しています。 なぜなら、私の場合は運用期間を長く取れること、そして老後資金をできるだけ大きく育てたいという目標があったからです。
もちろん、投資信託にも様々な種類があります。株式中心のもの、債券中心のもの、バランス型など。大切なのは、ご自身の目標やリスク許容度に合った投資信託を選ぶことです。
Q3-3: 投資信託ってたくさんあるけど、何に注目して選べばいいの?(信託報酬、純資産総額など)
農園主からの回答
確かに、iDeCoで選べる投資信託はたくさんあって迷ってしまいますよね。選ぶ際に注目すべきポイントはいくつかあります。
- 信託報酬(運用管理費用)
- 投資信託を保有している間、継続的にかかる費用です。この費用が低いほど、手元に残るお金が多くなります。同じような運用をする投資信託であれば、信託報酬が低いものを選ぶのが賢明です。
- 運用実績
- 過去の運用成績は、将来を保証するものではありませんが、参考にはなります。ただし、短期的な成績だけでなく、長期的なパフォーマンスを見るようにしましょう。
- 純資産総額
- その投資信託がどれくらいの規模で運用されているかを示す指標です。純資産総額が大きいほど、安定した運用が期待できる傾向があります。
- 運用方針(投資対象)
- その投資信託が、国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)など、どのような資産に投資しているのかを確認しましょう。ご自身の投資戦略やリスク許容度に合ったものを選ぶことが重要です。
- リスクの度合い
- 各投資信託には、リスクの度合いが示されています。一般的に、株式中心の投資信託はリターンが高い分リスクも高く、債券中心の投資信託はリターンは低いですがリスクも低い傾向があります。
これらのポイントを比較検討しながら、ご自身に合った投資信託を選びましょう。もし迷ったら、バランス型の投資信託から始めるのも一つの手です。これは、株式や債券など複数の資産に分散投資されているため、比較的リスクを抑えながらリターンも期待できます。
Q3-4: 農園主のおすすめポートフォリオを教えて!なぜその組み合わせなの?(具体的な商品名や配分例)
農園主からの回答
あくまで私個人の考えですが、現在私がiDeCoで運用しているポートフォリオの考え方をお伝えします。
私の場合は、長期的な成長を重視しているので、国内外の株式に幅広く分散投資する投資信託をメインにしています。具体的には、
- 国内株式インデックスファンド: iFree 日経225インデックス
- 米国株式インデックスファンド: 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)
- 先進株式インデックスファンド: eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
といったインデックスファンドを、それぞれの配分比率を調整しながら保有しています。
なぜこのような組み合わせにしているかというと…
- 長期的な経済成長を期待できるからです。特に株式は、企業の成長とともに価値が上がっていく可能性を秘めています。
- 地域を分散することで、リスクを低減できると考えているからです。一つの国の経済状況が悪くなっても、他の国の成長でカバーできる可能性があります。
- インデックスファンドは信託報酬が比較的低いため、運用コストを抑えられるからです。
ただし、これはあくまで私の考え方であり、皆さんの状況によって最適なポートフォリオは異なります。
【ポートフォリオを考える上でのヒント】
- 若い世代の方や、積極的にリスクを取りたい方: 株式の比率を高める
- リスクを抑えたい方や、運用期間が短い方: 債券やバランス型の比率を高める
- 投資の知識があまりない方: バランス型や、専門家が運用してくれるアクティブファンドを検討する(ただし、信託報酬は高めになる傾向があります)
まずは少額から投資信託を始めてみて、慣れてきたら徐々に配分を見直していくのも良いでしょう。
Q3-5: 途中で商品を変更することはできる?(スイッチング)
農園主からの回答
はい、iDeCoでは、現在保有している金融商品を売却して、別の金融商品に乗り換える「スイッチング」という手続きが可能です。
例えば、「最初は元本確保型を選んでいたけれど、やっぱりもっと積極的に運用したい」と思った場合や、「保有している投資信託の運用成績が思わしくないから別のものに変えたい」といった場合に利用できます。
スイッチングの手数料は金融機関によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
「金のたまご農園」で言えば、育てている作物が自分の畑の土壌に合わないと感じたら、より適した土壌に変えるようなイメージですね。
ただし、頻繁にスイッチングを行うと、その都度手数料がかかる場合や、タイミングによっては損をしてしまう可能性もあるため、慎重に行うことが大切です。
農園主から皆さんへ
iDeCoでどの「土壌」(金融商品)を選ぶかは、将来の「金のたまご」の育ち方を大きく左右する重要なポイントです。
まずはご自身の「リスク許容度」「運用期間」「目標額」をしっかりと把握し、それぞれの商品の特徴を理解した上で、後悔のない選択をしてください。
もし迷ったら、まずは少額から、そしてご自身の興味のある分野や理解しやすい商品から始めてみるのも良いでしょう。
次回は、「転職・退職したらどうなる?」という、iDeCoを運用していく上で知っておくべき注意点について解説していきます。