投資に回す資金、その割合の真実
皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。
これまで、iDeCoで老後資金の「種まき」を、新NISAで「金のなる木」を育てる方法、そして高配当株投資の魅力をお伝えしてきました。そして前回は、先物取引のような「危険な雑草」に手を出してはいけない、という私の失敗談も共有させていただきましたね。
そこで皆さんに問いかけたのが、「投資に回している資金の中で、『なくなっても困らない』と言えるのはどれくらいの割合ですか?」という質問です。
この問いは、投資における最も基本的な、しかし最も重要な「土台」に関わることです。この基準を曖昧にしたまま投資を始めると、少しの相場変動で不安になったり、無理なリスクを取ってしまったりと、精神的にも金銭的にも大きな負担になりかねません。
今回は、この「なくなっても困らないお金」の基準と、皆さんが安心して投資を続けるための資金管理の考え方について、農園主の経験から詳しく解説していきます。
Q1: 「なくなっても困らないお金」って、具体的にどういうお金のことですか?
農園主からの回答
「なくなっても困らないお金」とは、文字通り「万が一、全額を失ってしまっても、あなたの生活や将来設計に支障をきたさないお金」のことです。
これは、決して「どうでもいいお金」という意味ではありません。むしろ、「長期的な視点で、安心して育てることのできる『金のなる木の種』」となる、非常に大切な資金です。
具体的には、以下のような性質のお金は、投資に回すべきではありません。
- 生活防衛資金: 病気や失業など、予期せぬ事態に備えて、生活費の半年分~2年分(個人の状況による)は、すぐに引き出せる形で確保しておくべきです。これは、農園における「非常時の備蓄食料」のようなものです。
- 近い将来使う予定のあるお金: 数年以内に使う予定があるお金(例:住宅購入の頭金、子どもの教育資金、車の購入費用など)は、株価の変動リスクがある投資には不向きです。必要な時に資金が減っていては困りますよね。
- 借金をしてまで用意したお金: 住宅ローンや教育ローンなど、目的のある借金は別として、投資のために借金をすることは絶対に避けましょう。レバレッジを効かせた取引は、利益も大きくなりますが、損失も無限に膨らむ可能性があります。
これらの資金を除いた、本当に「余剰資金」と呼べる部分が、「なくなっても困らないお金」の対象となります。
Q2: 「なくなっても困らない」と言えるのは、全資産のどれくらいの割合が目安ですか?
農園主からの回答
この割合は、個人の「年齢」「収入」「家族構成」「資産状況」「リスク許容度」によって大きく異なります。一概に「〇%が正解!」と言い切ることはできません。
しかし、あくまで一般的な目安として、私自身の経験や多くの成功している投資家の考え方を踏まえると、以下の点が挙げられます。
- 若年層(20代~30代前半): 収入が今後伸びる可能性が高く、投資期間も長く取れるため、比較的高い割合(例えば余剰資金の7割~9割)を投資に回すことも可能です。ただし、あくまで生活防衛資金を確保した上での話です。
- 中年層(30代後半~50代): 収入も安定し、家庭を持つなどライフイベントが多い時期です。教育資金や住宅ローンなど、近い将来の支出も考慮しつつ、バランスの取れた割合(余剰資金の5割~8割)が目安となるでしょう。
- 高齢層(50代後半~): リタイアが近づき、資産を取り崩すフェーズに入るため、より保守的な運用が求められます。大きなリスクは避け、安定性を重視した割合(余剰資金の3割~6割)に抑えるのが賢明です。
重要なのは、「自分にとっての安心できるライン」を見つけることです。他人と比べる必要は全くありません。もし、投資に回した資金が少し減っただけで夜も眠れなくなるようであれば、それは「なくなっても困らないお金」の範囲を超えている証拠です。
「金のなる木」を育てる「畑」の広さは人それぞれです。無理に広い畑で多くの木を育てようとせず、まずは自分の体力に合った範囲で、着実に種を蒔くことが大切です。
Q3: 「なくなっても困らないお金」の具体的な見つけ方を教えてください!
農園主からの回答
前回お伝えした「家計の現状把握」が、まさにこの「なくなっても困らないお金」を見つけるための最も有効な方法です。
- 「収入-支出=余剰資金」を正確に把握する:
- 毎月、いくらの収入があり、いくら支出しているのかを細かく記録しましょう。家計簿アプリなどを活用すると便利です。
- これにより、毎月いくら「種まき」に回せる余剰資金があるのかが明確になります。
- 生活防衛資金を確保する:
- 緊急時に備える「生活防衛資金」は、投資資金とは明確に分け、すぐに引き出せる普通預金などに置いておきましょう。
- 家族構成やライフスタイルによって必要な額は異なりますが、最低でも生活費の半年分、できれば1年分~2年分あると安心です。
- 近い将来の支出計画を立てる:
- 「〇年後に車を買い替えたい」「△年後に子どもの大学費用がかかる」など、具体的な支出予定があるお金は、投資資金から除外します。
これらのステップを経て、「生活防衛資金」「将来使う予定のあるお金」を除いた「真の余剰資金」が、あなたが「なくなっても困らないお金」として投資に回せる上限の目安となります。
Q4: 投資初心者が「安心して」始めるための資金管理のコツはありますか?
農園主からの回答
投資初心者のうちは、不安な気持ちが大きいのは当然です。そんな皆さんが「安心して」投資を始めるためのコツをお伝えします。
- 少額からスタートする:
- まずは新NISAのつみたて投資枠などを活用し、月数千円~1万円といった少額から始めてみましょう。実際に投資を経験することで、市場の動きや自分の感情の動きを肌で感じることができます。
- 小さな「種」を蒔くことから始め、少しずつ「金のなる木」を大きくしていく感覚を掴んでください。
- 分散投資を徹底する:
- 投資対象を一つの銘柄や業種に集中させず、複数の銘柄や投資信託(特に新NISAのつみたて投資枠の対象商品)に分散して投資しましょう。リスクを軽減し、安定した成長が期待できます。
- これは、「金のなる木」を育てる際にも、様々な種類の木を育てることで、どれか一つが病気になっても農園全体が影響を受けすぎないようにするのと同じです。
- 「長期・積立・分散」の原則を貫く:
- 短期的な値動きに一喜一憂せず、「長期的な視点」で、「毎月コツコツ積立て」、「様々なものに分散投資する」という基本原則を守りましょう。
- この3つを守ることで、投資のリスクを抑え、時間を味方につけて資産を増やすことができます。
- 定期的な見直しと、無理のない範囲での調整:
- 半年に一度や年に一度など、定期的にポートフォリオや家計を見直す時間を作りましょう。無理をしていないか、目標とのズレはないかを確認し、必要に応じて積立額や投資方針を調整します。
農園主から皆さんへ
投資は、あなたの未来を豊かにするための強力なツールです。しかし、その力を最大限に引き出すためには、まずご自身の「投資体力」を正しく知り、「なくなっても困らないお金」の範囲内で、賢く、そして安心して投資を始めることが何よりも重要です。
焦らず、着実に、そして何よりも「継続」することを大切に。 あなたの「金のたまご農園」が、これからも豊かに実り続けることを心から願っています。