【農園主の番外編】個人事業主・経営者必見!

iDeCoと小規模企業共済、賢い老後資金の「二刀流」とは?

皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。

これまで、この農園では主に会社員の方々も対象にしたiDeCoや新NISAでの資産形成についてお話ししてきました。しかし、読者の皆さんの中には、個人事業主や会社の経営者として、日々ご自身の「農園」を切り盛りされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

会社員には当たり前にある「退職金」や「企業年金」がない、あるいは手薄な個人事業主・経営者の方々にとって、老後資金の準備はより一層、ご自身の手で行う必要があります。

そこで今回は、そんな皆さんのために、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)と小規模企業共済という、個人事業主・経営者の老後資金準備における強力な「二刀流」について、その違いと賢い活用法を番外編として解説していきます。どちらも税制優遇が魅力ですが、その特性を理解して、あなたの「金のたまご農園」の未来を盤石にしましょう!


Q1: 農園主さん、iDeCoと小規模企業共済って、そもそもどんな制度なんですか?

農園主からの回答

どちらも、自営業者や小規模企業の経営者が、将来のための資金を積み立てるための国の制度です。税制優遇が大きいのが共通の魅力ですが、目的や仕組みに違いがあります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

  • 目的: 老後の資産形成を目的とした「私的年金」制度です。
  • 仕組み: ご自身で掛け金を設定し、自分で選んだ投資信託などの金融商品で運用します。運用成果によって将来受け取れる年金額が変わります(確定拠出)。
  • 加入対象: 会社員、公務員、専業主婦(夫)、そして個人事業主・フリーランス、会社の役員など、ほぼ全ての国民が加入できます。
  • 掛け金: 月々5,000円から(個人事業主・フリーランスの上限は月額68,000円、年間81.6万円)。
  • 受け取り: 原則60歳以降(加入期間による)に、年金形式または一時金で受け取ります。

小規模企業共済

  • 目的: 小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための「退職金制度」です。
  • 仕組み: 掛け金を積み立て、廃業時や引退時に共済金として受け取ります。運用は中小機構が行います。
  • 加入対象: 従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の法人役員、個人事業主、共同経営者など。
  • 掛け金: 月々1,000円から70,000円まで(500円単位)。
  • 受け取り: 廃業・引退時など、決められた事由が発生した際に、一括または分割で受け取ります。

Q2: 両方とも税金がお得と聞きますが、具体的にどんなメリットがあるんですか?

農園主からの回答

はい、どちらの制度も、個人事業主・経営者の方々にとって、節税しながら老後資金を準備できるという大きなメリットがあります。

iDeCoの税制優遇

  1. 掛け金が全額所得控除:
    • 毎月の掛け金は、その年の所得税・住民税の計算から全額控除されます。例えば、所得税率20%、住民税率10%の方なら、年間81.6万円の掛け金で、約24.4万円も税金が安くなる可能性があります。これは、毎年の「金のなる木」の肥料代が安くなるようなものです!
  2. 運用益が非課税:
    • 運用で得た利益(利子や配当金、売却益)には、通常かかる約20%の税金が一切かかりません。利益を再投資に回せるため、複利効果を最大限に享受できます。
  3. 受け取り時にも税制優遇:
    • 60歳以降に受け取る際も、「公的年金等控除」や「退職所得控除」の対象となり、税負担が軽減されます。

小規模企業共済の税制優遇

  1. 掛け金が全額所得控除:
    • iDeCoと同様に、毎月の掛け金は、その年の所得税・住民税の計算から全額控除されます。年間最大84万円の掛け金で、大きな節税効果があります。
  2. 受け取り時にも税制優遇:
    • 廃業時などに受け取る共済金は、一括受け取りなら「退職所得」、分割受け取りなら「公的年金等の雑所得」として扱われ、それぞれ大きな控除が適用され、税負担が軽減されます。

Q3: 結局、iDeCoと小規模企業共済、どっちを選べばいいんですか?両方やるのはアリですか?

農園主からの回答

これは、皆さんの事業や将来の計画によって答えが変わりますが、結論から言えば、「可能であれば『両方活用』するのが最強の『二刀流』」だと私は考えています。

それぞれの特徴を踏まえた上で、選択肢を見ていきましょう。

比較項目iDeCo(イデコ)小規模企業共済
主な目的老後の資産形成(年金)退職金制度
運用主体自己責任で金融商品を選ぶ(運用成果は自分次第)中小機構(運用は任せる、予定利率あり)
リスク投資信託等の価格変動リスクあり元本保証ではないが、安全性の高い運用がなされる
流動性原則60歳まで引き出し不可任意解約は元本割れのリスクあり。廃業等で受給可能
節税メリット掛け金所得控除、運用益非課税、受け取り時控除掛け金所得控除、受け取り時控除
特徴自分の運用次第で大きく増やせる可能性がある安定的な運用で、まとまった退職金が準備できる
貸付制度なし契約者貸付制度あり(低金利で事業資金などを借り入れ可能)

【賢い選択肢】

  • まずは一つから始めたい場合:
    • 運用に自信があり、リスクを取ってでも積極的な資産形成を目指したいなら、iDeCo。
    • 堅実に退職金を準備したい、運用はプロに任せたい、将来的に事業資金の融資の可能性も視野に入れたいなら、小規模企業共済。
  • 最強の「二刀流」を目指す場合:
    • iDeCoと小規模企業共済は、併用が可能です。両方を活用することで、それぞれの上限額まで掛け金を積み立てられ、より大きな税制優遇を受けながら、老後資金と退職金を効率的に準備できます。
    • 例えば、個人事業主でiDeCoの上限(月6.8万円)と小規模企業共済の上限(月7万円)を両方積立てると、年間で約165万円(13.8万円×12ヶ月)もの掛け金が全額所得控除の対象となります。これは非常に大きな節税効果です!
    • 「金のなる木」を育てる畑に、二種類の異なる、しかし協力し合う「賢い作物」を植えるようなものです。

Q4: 契約者貸付制度って、個人事業主には嬉しいメリットですか?

農園主からの回答

はい、その通りです!小規模企業共済には、「契約者貸付制度」という、個人事業主や経営者の方々にとって非常に嬉しい、iDeCoにはない大きなメリットがあります。

これは、積み立てた掛け金の範囲内で、低金利で事業資金などを借り入れることができる制度です。急な運転資金が必要になった際や、つなぎ資金として利用できるため、万が一の際の事業継続をサポートしてくれます。

これは、農園に「緊急時の貯水池」を設けておくようなものです。普段は老後資金として蓄えていますが、本当に困った時にはそこから水(資金)を借りて、農園(事業)を立て直すことができるのです。

iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、小規模企業共済は万が一の事業の危機にも対応できる柔軟性があると言えるでしょう。


農園主から皆さんへ

個人事業主や経営者の皆さんの「金のたまご農園」は、ご自身の判断と努力で全てを築き上げていく、まさに「開拓者」の道です。だからこそ、老後資金の準備においても、国の制度を賢く利用し、税制優遇を最大限に享受することが非常に重要になります。

iDeCoと小規模企業共済は、それぞれ異なる特性を持つ強力なツールです。ご自身の事業フェーズ、将来の計画、リスク許容度に合わせて、どちらか一方、あるいは両方を上手に活用し、盤石な老後資金を築いていってください。

ご自身の「金のたまご農園」が、これからも豊かに実り続けることを心から願っています!

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