【iDeCoの疑問、農園主が答えます!】老後資金を育てる「iDeCoの種まき」完全ガイド – Q4:

転職・退職したらどうなる?

皆さん、こんにちは!「金のたまご農園」の農園主です。「金のたまご相談室」へようこそ!

これまで、iDeCoの基本や積立額、商品選びについてお話ししてきました。iDeCoは、一度始めれば基本的に60歳までコツコツと「金のたまご」を育てる制度ですが、人生には転職や退職といった大きな転機が訪れることもありますよね。

そんな時、「iDeCoってどうなるんだろう?」「何か手続きが必要なの?」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください!今回は、転職や退職といった働き方の変化があった場合のiDeCoの取り扱いについて、Q&A形式で詳しく解説していきます。


Q4-1: 会社を辞めて転職したら、iDeCoはどうなりますか?

農園主からの回答

会社を辞めて転職する場合、新しい職場での状況によってiDeCoの扱いが変わってきます。大きく分けて、以下の3つのパターンが考えられます。

  1. 転職先に企業型DC(確定拠出年金)がない場合
    • この場合、原則として現在のiDeCo口座をそのまま継続できます。特に大きな変更はなく、これまで通り「種まき」を続けることができますよ。
  2. 転職先に企業型DC(確定拠出年金)がある場合
    • これが最も注意が必要なケースです。転職先の企業型DCに加入する場合、これまでのiDeCoの資産を企業型DCへ移換する手続き(ポータビリティ)が必要になります。
    • 企業型DCへの移換は、企業型DCの規約や運用商品によって選択肢が変わるため、転職先の担当部署に確認することが大切です。
    • もちろん、企業型DCに移換せずにiDeCoとして運用を続けることも可能な場合があります。この場合は、企業型DCとiDeCoの両方で資産形成することになりますが、iDeCoの掛金上限額は変更される可能性がありますので注意が必要です。
    • 「金のたまご農園」で例えるなら、育ててきた作物を新しい畑(企業型DC)に移植するか、今の畑(iDeCo)で引き続き育てるか、という選択肢があるイメージです。
  3. 転職先で企業型DCがあり、iDeCoとの併用ができない場合
    • 一部の企業型DCでは、iDeCoとの併用が認められていない場合があります。その場合は、iDeCoの掛金拠出を停止し、運用指図者として資産を運用し続けることになります。

いずれのケースでも、転職後6ヶ月以内に手続きをしないと、大切な資産が自動移換されてしまい、手数料などで目減りしてしまうリスクがあります。次の項目で詳しく説明しますね。

Q4-2: 会社を退職して専業主婦(夫)になった場合はどうなりますか?

農園主からの回答

会社を退職し、ご自身の配偶者の扶養に入るなどで国民年金の第3号被保険者になった場合でも、iDeCoの運用は継続できます。

この場合、国民年金第3号被保険者としてのiDeCoの掛金上限額は月額2.3万円(年額27.6万円)となります。

会社員時代よりも掛金上限額が下がる可能性がありますが、引き続き税制優遇を受けながら「金のたまご」を育てていくことができるので、ぜひ継続をおすすめします。ただし、専業主婦(夫)の場合、所得がないため、掛金の所得控除による節税メリットは受けられなくなります。しかし、運用益非課税のメリットは引き続き享受できますよ。

Q4-3: 手続きを忘れるとどうなりますか?「自動移換」のデメリットとは?

農園主からの回答

これが、転職や退職時に最も避けるべき落とし穴です!

転職・退職後、所定の期間内にiDeCoの移換手続きや、加入者区分の変更手続きを行わないと、それまで積み立ててきた大切なiDeCoの資産が、国民年金基金連合会に「自動移換」されてしまいます。

自動移換されてしまうと、以下のような大きなデメリットが生じます。

  • 資産が勝手に「現金」で管理される
    • これまでの投資信託などで運用されていた資産が、強制的に現金化されてしまいます。つまり、運用益非課税というiDeCoの最大のメリットが失われ、運用による資産増加の機会を失ってしまいます。
  • 管理手数料だけがかかり続ける
    • 自動移換された資産は、ただ現金で置かれているだけなのに、年間で数千円の管理手数料が引かれていきます。まるで、肥料も水も与えずに、ただ畑を維持する費用だけがかかるようなものです。これでは「金のたまご」が育つどころか、目減りしてしまいます。
  • 運用期間にカウントされない
    • 自動移換されている期間は、iDeCoの「加入者期間」としてカウントされません。iDeCoは原則60歳からの受け取りですが、受け取り開始時期は加入期間によって前後するため、受給開始が遅れてしまう可能性があります。

自動移換を防ぐためには、転職や退職が決まったらすぐに、ご自身の運営管理機関(証券会社や銀行)に連絡し、必要な手続きを確認して実行することが何よりも重要です!

Q4-4: 企業型DCがある会社に転職したらどうすればいい?(移換手続きのポイント)

農園主からの回答

企業型DCへの移換手続きは、少し複雑に感じるかもしれません。いくつかのポイントを押さえておきましょう。

  1. 転職先の企業型DCの担当者に相談する:
    • 転職先の企業型DCが、iDeCoからの資産受け入れに対応しているか、運用商品ラインナップはどうかなどを確認しましょう。
  2. 必要な書類を準備する:
    • 移換手続きには、現在のiDeCoの運営管理機関と転職先の企業型DCの両方から書類を取り寄せる必要があります。
  3. 運用商品を再検討する:
    • 企業型DCに移換する場合、これまでiDeCoで選んでいた商品と異なる商品ラインナップの中から選び直す必要があります。ご自身の運用方針に合わせて、最適な商品を選びましょう。

この手続きは、まさに「金のたまご」を育てる畑を新しい場所に移し替えるようなものです。少し手間はかかりますが、大切な資産を守り、さらに大きく育てるためには避けられない大切なプロセスです。


農園主から皆さんへ

転職や退職は人生の大きな節目ですが、iDeCoの運用を止めてしまうのは非常にもったいないことです。適切な手続きを行うことで、大切な老後資金をしっかり守り、引き続き成長させることができます。

「金のたまご農園」の農園主として言えるのは、どんな環境の変化があっても、諦めずに「金のたまご」を育てることを諦めないでほしい、ということです。

もし手続きで困ったことがあれば、まずはご自身のiDeCoを契約している金融機関に相談してみてください。きっと力になってくれるはずです。

次回は、いよいよiDeCoの「出口戦略」について。60歳以降、どのように「金のたまご」を「収穫」するのがお得なのか、その方法を解説しますので、お楽しみに!

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